絵画から読み解くペルシャ絨毯
- FLUXUS_ONDA
- 2020年2月12日
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Hans Holbein “The Ambassadors”(1533)

ハンス・ホルバインは、1497年南ドイツのアウブスブルグに生まれた画家である。
父、兄ともに歴史に名を残す画家であり、若い頃から宗教絵画として優れた画家の一人として頭角を現していました。
しかし、宗教改革によってこれまでの教会用の絵画の需要が減ることを懸念したハンスは、妻子を養うため新天地・英国に渡ることに。
英国では優れたデッサン力と着衣や髪の質感や道具立ての繊細な描き方が評価され、描かれた人物の人間性まで表現されるような肖像画はハンスの代表作となりました。
1536年英国王のヘンシー8世により宮廷画家に迎えられ、画家として最高の地位に昇り詰めました。
ハンス・ホルバインのフランス使節として渡英したダントヴィユと、彼の友人でラヴール司教のジョルジュ・ド・セルヴを描いた「大使たち」。
肖像画家としてトップに登りつめたハンスの、円熟期の絵画としても名高い。繊細で緻密な描写で天才の名にふさわしい素晴らしい作品です。
棚の上には、地球儀、四分儀、日時計、トルクエタムなどのさまざまな科学器具が置かれており、不調和の象徴とされる弦の壊れたリュートは、ルター派の讃美歌の楽譜の隣に置かれ、学者と聖職者の不和を示唆しています。
棚の上段にはルネサンス期によく見られるペルシャ絨毯、または東洋のデザインと考えられる織物が敷かれている。
配色やボーダーのデザイン、エッジ部分や厚みから考察すると、アルデビルなどのビレッジまたはトライバル系のラグをイメージすることができます。

この「大使たち」で最も印象的なのは、フロアに描かれた歪んだ頭蓋骨。
角度を変えて見ることで正確な姿を現すという、ルネサンス初期に考案された「アナモルフォーシス」という技法で描かれています。
ホルバインが作品に込めたメッセージを、皆さんはどのように受け取りましたか?
~絵画から読み解くペルシャ絨毯~
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