絵画から読み解くペルシャ絨毯
- FLUXUS_ONDA
- 2020年1月1日
- 読了時間: 2分
更新日:2020年2月11日
Jafar Petgar“Carpet Vendors”(1952)

ジャファール・ペトガー(1920-2005)は、イラン国内で最も影響力のある芸術家の一人と云われています。
テヘラン現代美術館には、彼が17歳の時に描き上げた母親の絵が飾られています。
若くして才能を発揮したペドガーは、作品に人々の人生を描写する際にヴェリスム( リアリズムの一形態)を取り入れて、彼は社会の貧しい部分に絵をもたらしました。
特に本作の「Carpet Vendors」は、カーペットに対するアーティストの内面的な感情を明らかにする彼の作品です。
イラン国内では産業・芸術面でもペルシャ絨毯が象徴的ですが、筆を持ち絵画として描かれたペルシャ絨毯のクオリティーを見る限り、そこには織り手に対するリスペクトの念を感じます。
「Carpet Vendors」を直訳すると「絨毯売り」です。
登場する二人の年齢、距離感、関係性、絨毯の大きさなどから想像すると、二人は親子であることが考えられます。
絨毯を市場に出品する情景なのか、産地から絨毯を仕入れた情景なのか…
定かではありませんが、都心部ではなく郊外の絨毯であることがわかります。
父親が手に抱えている絨毯は、スカラベ文様のメダリオンや草花のアイコン、トライバル的なアイコンからシラーズ産のペルシャ絨毯であると思案されます。
息子が手に抱えている絨毯も、花鳥文様が見受けられますが、絵のタッチからウールの質感や風合いからどこか素朴な仕上がりを想像させられます。

親子の服装や日に焼けた肌、額に刻まれた深い皺などから、決して裕福な生活ではないと読み解くことができ、ペドガー作品のテーマのひとつでもあるヴェリスムを感じます。
そんな作品から私が印象に残った点は、息子の力強い眼差し、そして大きく立派な手。
皆さんはペドガーの作品から何を感じましたか?
~絵画から読み解くペルシャ絨毯~
FLUXUS
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