絵画から読み解くペルシャ絨毯
- FLUXUS_ONDA
- 2020年1月1日
- 読了時間: 2分
Charles Spencelayh“She stoops to Conquer”(1931)

劇作家オリヴァー・ゴールドスミス作の18世紀の有名戯曲『負けるが勝ち』
これはイギリスでは大変有名な喜劇で、現在でも上演されている数少ない18世紀の喜劇。
チャールズは下層階級の女性が好みで、上流階級のレディがめっぽう苦手でケイトと目も合わせられない。
一計を案じたケイトはメイドのふりをしてチャールズに近づき、チャールズを夢中にさせてしまう。
チャールズがメイドのふりをしているケイトに本気で惚れて、二人で屋敷を抜け出し駆け落ちをと考え始めた頃の描写。
チャールズとメイドに扮するケイトの足元に敷かれているのは、特徴的な幾何学文様からコーカサス地方のペルシャ絨毯ではないかと考察されます。
(現在お取り扱いがあるのは、アルデビル産のペルシャ絨毯など)
室内の英国家具とも相性が良く、18世紀当時のトレンドを垣間見ることができます。
絵画の構図、壁に当てられた半円形のテーブル、壁に掛けられた円形の鏡に映る室内などから、一室の角が描かれていることが想像されます。
周辺の家具と比較すると、絨毯のサイズはドザール(200×150cm)辺りでしょうか。
お部屋の中心ではなく角部分に、自身にとって最良の居場所を作る。
空間として成り立っているのは、足元にそっと敷かれた絨毯の役割も大きいでしょう。
ガウンを羽織り、紅茶を飲みながら、意中の女性を眺める。
これぞ憧れの英国紳士。
~絵画から読み解くペルシャ絨毯~
FLUXUS
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